こんにちは。何度イギリスに行っても行き足りない、旅ライターの山岸早瀬です。
日本はじわじわと蒸し暑くなってきましたが、夏といえばイギリスが一層に美しい季節ですね! 夏のロンドンでは毎年、期間限定でバッキンガム宮殿の中に入ることができたり(今年は7月25日から9月27日まで)、有名なクラシック音楽祭「BBCプロムス」(7月17日から9月12日まで)が開催されたりと、一層に見どころが盛りだくさんです。ぜひゆっくりと滞在して楽しみたいところ。
しかし夏のイギリスで困るのは、宿泊代の高さなのではないでしょうか。なかでもロンドンは割高で……。そこで、わりと旅慣れている皆さんにおすすめしたいのが、「ホステルワールド」という格安宿泊施設の予約サービスの活用です。一定の基準(旅館営業もしくは簡易宿泊営業の許可証を取得しているなど)を満たした世界180 カ国3 万軒以上のホステル、ホテル、B&B、旅館などのうち、格安のものだけを検索・予約をすることができるウェブサービスです。
イギリスで特に今、おもしろいのが「ホステル(hostel)」です。ホステルとは、安価に宿泊できる相部屋(ドミトリー)があり、セルフキッチンやゲスト同士の交流スペースがある、旅⾏者向けの交流型の宿のことです。
「それって、若者向けの安宿では!?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、最近はそうでもないのです! ヨーロッパでは、城や修道院、お屋敷などの使われていない歴史的建造物を、観光客向けのホステルに改装して保存・再活用するのが、ちょっとしたブームになっています。
無料のWi-Fiサービスや、オシャレな広い共有ラウンジがあるところや、ドミトリー(相部屋)だけではなく、シングルやツインルームもちゃんと用意しているところも増えているのですよ。
例として、ロンドンの「ホステルワールド」担当者さんにヒアリングして教えてもらった、ホステルを3つご紹介したいと思います。
格安料金でヴィクトリア朝のエレガンス!
ロンドンのヴィクトリア朝のお屋敷に、一泊約5000円で泊まれます(ドミトリーの場合)。1881年に建築されたヴィクトリア朝の建物を、当時の美しさを保ったまま修復したホステルです。イギリスらしい古いレンガ造りの建物で、階段や内装も清潔でエレガント。
場所は、スイス・コテージ駅から徒歩5分くらい。落ち着いた雰囲気のエリアです。しかもヒースロー空港やイギリスの地方都市への列車の発着点となるパディントン駅まで約20分と近く、観光の拠点としても便利です。
広々した共有ラウンジでは、自由に紅茶やコーヒーを飲むことができます。ドミトリーに泊まる場合は、女性ならやはり安心の女性専用部屋をおすすめします。ちなみに相部屋と言っても、それぞれのベッドにカーテンや読書灯が付いているので、プライバシー感があります。
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南ロンドンのスタイリッシュな新鋭ホステル
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南ロンドンのハブ駅となる、エレファント&キャッスル駅近くに最近オープンしたホステルです。お洒落なバーや美術館、カフェがすぐ近くにあり、賑やかな雰囲気。ホステル自体のなかに、オープンテラスや、スタイリッシュなカフェ&バーもあります。
まるでオシャレなカフェのなか。都心にあるので、歩き疲れたら宿に戻ったりもできますね。
「夜遅くまで出かけるのは、さすがに心配」という方は、ホステルのなかで世界のトラベラーと交流するのもいいですね。こちらのドミトリーも、うれしい各ベッドにカーテン&読書灯付きです。
ドミトリー(共同部屋)も清潔なリネンとカーテン、読書灯、セーフティボックス付きです。
チャールズ·ディケンズが働いていた裁判所
キングス・クロス駅から徒歩圏内で、便利な立地です。
キングス・クロス駅近くにある、一風変わったホステル。こちらはなんと、元「裁判所」です! しかも、名作『オリバー・ツイスト』や『クリスマス・キャロル』の作者であるチャールズ・ディケンズが働いていたこともあるとか。
裁判所だった頃の名残のある部屋もあります。一人旅でじっくりと、日々のあれこれを反省するのもよし。気の合う仲間と泊まって、ミュージカル映画『オリバー!』の歌を口ずさんで楽しまれるのもよいでしょう(でも夜はお静かに)。
かつて独房だった部屋に泊まるのは、ちょっとドキドキしますね……。
各ホステルにはシャワーや洗濯機など、宿泊に必要な基本的なものはそろっています。アメニティは無いので、お気に入りのバスグッズの持ち込みをお忘れなく♪
ちなみにホステルによっては場所が駅からとても遠かったり、日本人にとっては清潔度に不満が残ったりするところあるので、ホステルのレビューなどをよくチェックして、ご自身で判断してご活用ください。わたしの経験上、レビュー評点のトータルが80%以上で、日本人が書いたレビューが良いところなら、大概満足のいくお宿でした。
うまく使いこなせば、ロンドンやイギリスがきっと、もっと身近に感じられるはずです。ぜひ夏のイギリスを、心置きなく満喫してください!
山岸早瀬
イギリス&アイルランド取材こぼれ話と徒然エッセイ