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英国ロイヤル・バレエ団ソリスト、蔵健太さんに聞く

この夏、日本で『不思議の国のアリス』と『白鳥の湖』、そしてガラ公演を行った英国ロイヤル・バレエ団。ソリストの蔵健太さん(北海道・旭川出身)にロイヤル・バレエ団と英国についてお話をお伺いしました。

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Britain Park ~イギリス日記~-蔵健太さん

ロイヤル・バレエ団で活躍する日本人ダンサー、蔵健太さん


Q1 まずは今秋スタートする2013/2014年の新シーズンのおすすめ作品を教えてください。蔵さんはどのような役を踊られる予定ですか?

オススメは、やはり現役プリンシパル・ダンサーのカルロス・アコスタが振付する新バージョンの『ドンキホーテ』ですね。
リハーサルの際にカルロスが自ら踊って手本を見せてくれるのですが、それがすごいです。

『ドンキホーテ』の配役はまだお話できないのですが、『眠りの森の美女』のブルーバードなどを踊る予定になっています。

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Britain Park ~イギリス日記~-ロイヤルオペラハウス

2013/2014年シーズのロイヤルオペラハウスの一押しは
アコスタが振付する新バージョンの『ドンキホーテ』


Q2 長年ロイヤル・バレエ団で活躍されていますが、蔵さんにとってロイヤル・バレエ団の魅力はズバリ何だと思われますか?

古いものを大切にしつつ、新たな作品のクリエーションに力を入れているのが、やはりロイヤル・バレエの大きな魅力だと思います。昔の演目のオリジナリティを大切に守りつつ、現代のバレエ作品を常に上演し続けているのです。

数十年前に初演された英国人振付家のフレデリック・アシュトンケネス・マクミランの作品を上演する時は、その時代のオリジナリティを大切にするため、必ず作品が創られた当時の歴史を舞台で表現しています。

最近の振付家クリストファー・ウィールドンウェイン・マクレガーなどの現代作品も頻繁に上演されています。

ロイヤル・バレエ団は清潔で美しく、上品でマナーがあり、また情熱に満ちたカンパニーです。変わらない良いものは良いものとして大切にしながら、「キャッチー」(新しいものに敏感)なバレエ団なんです。

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$Britain Park ~イギリス日記~-ロイヤルオペラハウス

歴史と伝統が感じられるロイヤルオペラハウス


Q3 ダンスの他には、どんなことに関心をお持ちですか?

最近ソロダンサーのためのバレエ作品を振付したのですが、振付にはまたトライしてみたいですね。
また、バレエを教える資格も最近取得したので、今後は若いダンサーを教えることにも力を入れていきたいです。

今年の夏休みには、清里の野外バレエコンサートで『ジゼル』のアルブレヒトを踊るほか、岡山、高松、北海道でもバレエを教えます。


Q4 オフの日には、どのように過ごしていらっしゃいますか?

車好きなので、ロンドンの郊外までドライブするのが一番の気分転換になっています。
オックスフォード近くのビスタービレッジでは、2時間弱のドライブでアウトレットショッピングができるので、お気に入りのスポットになっています。

また、ストーンヘンジやコッツウォルズ地方のバートン・オン・ザ・ウォーターも好きですね。英国のカントリーサイドのドライブでは、なんといっても木のトンネルが大好きです。

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Britain Park ~イギリス日記~-ストーンヘンジ

蔵さんもお気に入りのストーンヘンジ


Q5 その他に英国でオススメの場所などありますか?

海が好きなのでブライトン(ロンドンの南)が好きです。いずれ南西イングランドのコーンウォール(南西イングランド)で、サーフィンをやってみたいですね。

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Britain Park ~イギリス日記~-ブライトン

ロンドンの南にあるブライトン


最近はゴルフを始めたのですが、土地が広く、素朴な英国のゴルフコースは良いですね。英国人は本当にゴルフが好きでプレーしているなぁ、って感じます。

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Britain Park ~イギリス日記~-コーンウォール

サーフィンも楽しめるコーンウォールのビーチ
&copy Ben Selway


Q6 英国のどんなところが“GREAT”だと思いますか?

それぞれのペースが乱されないことでしょうか。東京に来るとなぜか早歩きになってしまうのですが、英国ではそのようなことはありません。

それにロンドンでは、国を超えて仲間が増えます。何かしようとしている人の周りには、助けようとする仲間が自然と集まります。バレエ作品の振付も、一人ではとてもやりきれなかったと思います。

車や古着もそうですが、英国の人は古いものも大切にします。
ですので、ゆっくりと時間を楽しみ、自分を見つめ直す時間が欲しい人には、英国への旅をお勧めします。

英国は個々のやりたいことをリスペクトしてくれ、新しいことにチャレンジすることを良しとしてくれる国です。

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Britain Park ~イギリス日記~-蔵健太さん

蔵さんの今後の活躍にも期待しましょう!


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旭川でバレエを習い始め、ローザンヌ・バレエコンクールでの受賞後、ロイヤル・バレエスクールに留学。卒業後狭き門でロイヤル・バレエ団に入団して以来ずっとロイヤル・バレエ団に所属する蔵健太さん。ロイヤルと英国への熱い思いが伝わってくるお話でした。
ロンドンにあるオススメのお店もたくさん教えていただきましたので、また別の機会にご紹介したいと思います。

蔵健太さんのブログ: http://kentakura.exblog.jp/

ロイヤル・バレエ団ウェブサイト(英語)
http://www.roh.org.uk/about/the-royal-ballet

ロイヤル・バレエ団2013/2014シーズン公演演目(英語)
http://www.roh.org.uk/news/201314-ballet-and-dance-season-announced

*『ロミオとジュリエット』『ドンキホーテ』『ロミオとジュリエット』『ジゼル』『眠りの森の美女』などの古典バレエの他、ウェイン・マクレガー、クリストファー・ウィールドン、デイヴィッド・ドーソンなどの現代バレエも上演されている。

取材協力:日本舞台振興会(NBS)
http://www.nbs.or.jp/

今秋、ロイヤル・バレエ団で活躍していた世界的に人気のダンサー、アリーナ・コジョカルやシルヴィ・ギエムの来日公演が予定されています。

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