ブリ吉です。
伯爵と言えば、公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵と五爵のど真ん中に位置する爵位です。紅茶で有名なアール・グレイ卿と、吸血鬼で有名なドラキュラさんが伯爵と言われますが、Grey卿の場合、正しくはCharles Grey, 2nd Earl Greyと呼びます。日本語ですと、第二代グレイ伯爵ですかね。
爵位とは貴族の称号を序列化したもので、お国が特定の家族に与える特権や栄典の制度なのですが、ここでは、説明が長くなるのでその成り立ちは説明しません。簡単に言うと、公爵(Duke/Duchess)が英王室にも通じる最高位の爵位で、やや下位に侯爵(Marquess /Marchioness)、そして、その部下的な地位に伯爵(Earl/Countess)という具合で、それぞれの地方国家(イングランドとか、スコットランドとか)の組織内での主従関係にも当たります。
で、あのコスチューム・ソープ・オペラ(時代劇風メロドラマ)で、ブリ吉に見えてきたものは、1912年という時代背景そのものでした。電化が始まった時代であり、第一次大戦の直前であり、王侯貴族が没落し社会構造が変革する前兆であり、召使にまで階級制度があり、本来は混沌としている個人個人の価値観の渦巻く中で、辛うじて秩序が保たれているかのように見える体裁を重んじたビクトリア時代の道徳社会の残像というところです。
え、話がカタいって?
いえいえ、気づいた部分は極めてシンプルです。
「ああ、眩しいわ。こんなもの要らないのに」
現代のネット社会の始まり(1990年代後半)を彷彿とさせる言葉の一つです。我々は要らないものに囲まれて生活しているのかもしれないな、とふと考えさせる一言でした。1910年代の生活様式としては、一人の貴族のために10名以上の従者が付いたわけですから、最高のサービスを受ける生活をして満ち足りていた人々には科学技術の進歩はあまり興味ないものだったのでしょうね。
電化が進んだこの頃、電気製品は電力会社別にプラグもソケットも電圧もすべて異なっていましたから、新しい電気器具が欲しくなると家の中の配線もスパゲティ状になり収拾が着かなくなるので、混沌とした状況を嫌がって、意外にも貴族たちは家の中の電化や革新的な技術を家の中に導入しようとは思わなかったんですね。なぜなら、執事やポーターなどの従者が居るからです。
因みに、1930年以前に建てられたロンドン近郊の英国の家の壁には、最大で三種類の電気プラグ跡があります。今やその3つとも使われていません。なぜなら、その3つのプラグを拵えた会社は第二次大戦後に統合され、現在の電力会社に吸収されていったからです。
で、その従者たちですが、お気づきになった方も多いでしょう。あの従者の中にも階級があるのですね。ブリ吉は英語で観ていたのですが、執事の長はbutler(バトラー)、そして次席以下はvalet(バレット、あるいはバレェ)と呼ばれていました。さらにその下の下僕はfootman(フットマン)でした。なんだか足軽みたいですね。そして、その名がイメージするように、主人に重用して貰うことで、従者は出世していったのですね。20世紀の始まり頃には、秀吉並みに出世して、且つ主人の財産を貰って億万長者になった人物も居たようですが、そういうヒトは絶対に有名になろうとしないので、歴史の舞台にもなかなか引っ張り出せません。
女性のメイドの中にも格付けがあって、さらに厨房で働く賄いの女性たちは身だしなみもかなり適当で、人前に出ることを許されていませんでした。今や、厨房で働く人はシェフと呼ばれて、旨いものを作れば、賛辞が送られる時代だと言うのに、僅か100年前でこれほどの違いがあったのですね。旨いメシを作るのは当然だと言わんばかりの様子でした。この回の放送ではケジャリという鯖の燻製のオジヤが朝食に出ていました。インド料理をヒントにした英国料理でこの頃からのブームだったようです。
ところで、儀礼とは英語でProtocol(プロトコル)と言いますね。しかし、これはインターネット・プロトコルとは意味が異なります。本来のプロトコルの意味が「儀礼」なのです。ネットの世界では通信規約(通信プロトコル)という決まり事の元に、ネット上で2つ以上の点と点とを結びつけるわけです。儀礼とは、つまり、ある屋敷の人たちが外部の人たちを丁重に迎え入れるための作法であり、儀礼であり、ひとつの決まりごとなわけです。
そして、この従者のノウハウと言うのは、先日もアフタヌーン・ティの記事で少しお話しましたが、貴族の所有するマナーハウスからホテルへと引き継がれ、現在のホテル経営の基礎となっているというお話に繋がるのです。
以上、ブリ吉でした。
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