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北イングランドの英国ガーデンをめぐる旅その10 ビダルフ・グランジ・ガーデン

みなさん、こんにちは!

本日も弊社ブログへのアクセスありがとうございます!

 

本日は弊社プレスツアーに参加いただいているロンスマさんがスタフォードシャー州、ナショナルトラストにあるビダルフ・グランジ・ガーデンをご紹介してくださいます♪

 

 

**************

北イングランドの英国ガーデンをめぐるツアー、前回のすてきなアフタヌーンティーをいただいた後は、同じストーク・オン・トレント近郊にあるビダルフ・グランジ・ガーデン(Biddulph Grange Garden)へ。

 

 

 

ナショナル・トラストが管理するお庭で、日本ではそれほど知られていませんが、このお庭、個人的には今回見学した中で一番見ごたえがあって本当にオススメな場所なんです。

 

 


その魅力をひと言で言うと、世界中の植物とビクトリア時代の遊び心がたっぷり詰まったお庭。

 

 

 

ちょっと写真が多くなってしまったのですが、二回に分けるよりも、一気にご紹介した方がこのお庭の魅力が伝わると思うので、よかったらおつきあいくださいませ。

 

 

 

さてどんなところか、早速行ってみましょう♪

 

 


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もともと農地や湿地だったこの土地が変わり始めたのは、19世紀後半にジェームス・ベイトマン(James Bateman)とその妻マリアが購入したことがきっかけでした。

 

 


世界中の植物を集め持っていた園芸家のベイトマンは、そのコレクションを自宅の庭に展示するためにこのビダルフ・グランジ・ガーデンを作ったからです。

 

 


しかもお庭には世界中の植物が植えられただけでなく、世界各地のテーマも一緒に盛り込まれ、イタリア、エジプト、中国、ヒマラヤなど、150年前の当時としてはとてもエキゾチックだった土地を含めて、それぞれのイメージに合ったお庭が作られました。

 

 


さらに、そのひとつひとつが上手に仕切られていて、それぞれが混じり合わずに独立しているというのが、これまた素晴らしいのです。

こういう形式のお庭が残っているのはとても珍しいそうですよ。

 

 


さてさて肝心のお庭、まず最初はお屋敷の前にあるイタリア庭園から見せていただきました。

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イタリア庭園は、やはりかっちり計算された形が特徴的ですね。

ビダルフ・グランジ・ガーデンのイタリア庭園は、刈り込まれた生垣が高めなせいか、階段などの段差で動きがあるせいか、他に比べて男性的というか、力強い印象を受けました。

 

 


園芸家としてのベイトマンはランの専門家だったそうですが、ツツジやシャクナゲにも非常に興味を持って愛していたそう。

 

 

 

だからこのお庭にはたくさんのツツジやシャクナゲが植えられていて、私たちが行った6月にはちょうど見頃をすこーし過ぎたところでした。
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ツツジは日本ではどこにでもあるお花ですが、イギリスではかなりオリエンタル色が濃く、シャクナゲの方がよく知られているようです。

 

 

 

歴史的にもイギリスと繋がりの深かったネパールにシャクナゲが多いと言うこともあるかもしれません。

(ちなみにネパールの国花はシャクナゲなんですよ♪)

 

 

 

シャクナゲは花の形や色がツツジに似ていますが、お花がツツジより大きい分、花びらのみずみずしさが際立つ可憐で華やかなお花です。
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お屋敷とイタリア庭園の前には大きな池が広がっていて、水辺の草花が涼しげに咲いていました。

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他のお庭でも歩く道はきちんと整備されていますが、ビダルフ・グランジ・ガーデンは、どこを歩いても遊歩道がよく整備されていて、歩いてじっくり見て回ることが意識されていると感じました。

 

 

 

イギリスによくある「草の上を自然のままに歩く」という場所がほとんどないのです。

 

 

 

これはお庭として鑑賞するか、自然の中にいることを楽しむか、という視点の違いかもしれませんね。

その意味では、ビダルフ・グランジ・ガーデンは鑑賞するために作られたお庭と言っていいかもしれません。

 

 

 

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でも草の上を自由に歩くのが基本のイギリスですから、こうして道のない緑の上を歩くのはまったくかまわないのです♪

 

 


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緑の中を歩いていると、お話も弾みます

 

 

 

道の先に見えてきたのは、おとぎ話に出てきそうな可愛い小屋。
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壁に書かれている1856年は、イギリスではビクトリア時代。

産業革命が進み、暮らしが豊かになって気持ちに余裕が出たのか、遊び心たっぷりな文化が栄えた時代でした。

 

 

 

ビダルフ・グランジ・ガーデンも、その影響を受けているようで、驚くようなアイディアが満載。

 

 

 

このお庭のもともとの目的は世界中の植物を展示することでしたよね。

 

 


まず最初に小さな小屋を抜けて、見えて来たのはこちらの国。

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じゃーん! ピラミッドとスフィンクス!

エジプトがテーマのお庭です。

 

 

 

それにしてもトピアリー(生の常緑樹を刈り込んで形作った飾り)でピラミッドを表現するとは、なんとも斬新!

 

 

 

砂漠色のイメージのピラミッドが緑色をしていると、すごく新鮮に見えますね。

 

 


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そして少し歩くと、今度は見渡す限り続いている立派な並木道。

遠くに見える人間と比べると、どんなに高い木なのか、わかっていただけるでしょうか。

それがずっと続いていて、まるで果てしないようにさえ感じられました。

 

 

 

スケールが大きい!

 

 

 

ビダルフ・グランジ・ガーデンを作ったベイトマン一家は、実は家を購入してから30年あまりで貯金を使い果たしてしまい、ここを売ってロンドンに引っ越したのだそうです。

 

 


その後、火事にあって違う人に再建されたり、お屋敷の一部が病院として使われたりしているうちにお庭はすっかり荒れてしまったそうですが、1988年にナショナルトラストがここを購入して、コツコツとお庭の復元を進めました。

 

 


この並木道もすっかり荒れていたので、1990年代にすべて植えかえられたそうです。

 

 


ビダルフ・グランジ・ガーデンでは、様々なテーマのお庭が上手に隔てられているとお話ししましたが、お庭を隔てる大切な手段の一つが高低差。

自然なものも人工のものを含め、こうしてお庭の中に高低があると、低いところからは先が見えにくく、そうすると次のテーマが急に目の前に現れることになり、見ている私たちはあっと驚きます。

 

 

 

よく考えられていますよね。

 

 


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例えば、どのくらい高低差があるのかをお見せしたいので、ちょっと階段で丘に登ってみましょう。

 

 

 

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日本と違って柵も手すりもなく、階段もかなり自然に近い形なので、上り下りは自己責任で気をつけてね。笑

 

 


さて、丘の上に着きました。

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下で待っている皆さんが、こんなに小さく見えるほど高いんです。

 

 

 

これでは、先の見通しも良くないはずでしょう?
 

 

 

しかも、こんなに高い所に登っても、次のテーマは上手に隠されていて、見えなかったのです。

 

 

 

こんな風にしっかり隔てられているのに、それぞれを仕切っている丘や岩や木の配置がとても自然なので、ただ山や森の中を歩いているようにしか感じないのも設計のすばらしいところ。

 

 

 

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お庭の中にはトンネルもいくつもあるんですよ。

中はひんやりしていて真っ暗で、なんだか楽しいのですが(笑)、実はトンネルも次の世界に導いてくれる仕切りの役目も果たしているんです。

 

 


生垣の仕切りもありました。
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きれいに刈られた生垣があるので、私の身長だと、背伸びして覗かないと向こう側に何があるのか見えませんでした。

 

 

 

たとえ背が高くても、こんなに厚い生垣があると、しっかり区切られているように感じると思うのです。

 

 

 

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そしてこのどっしりとした生垣、とても不思議ですよね。

生垣と言うより、生垣とトピアリーの組み合わせと言うべきでしょうか。

 

 


ここはビダルフ・グランジ・ガーデンでも人気のダリア園なのです。

私たちが行った6月には、まだは背も低く、支えの棒の方が目立っているくらいでしたが、晩夏にはダリアのお花でいっぱいになるんだそう。

 

 

 

この重厚な生垣と可憐なダリアとのコントラスト、緑色の背景に広がる水彩画みたいできれいだろうなあ。

 

 

 

満開の時をぜひ見てみたくなりました。

 

 

 

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こんな風に石づくりの塀で仕切られているところもありました。

 

 

 

そしてやはり段差があるので、まるで別の空間のように感じられます。

本当によくデザインされたお庭。

ひとつひとつが仕切られていて、テーマが違うというのがとても楽しいのです。

 

 

 

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こんな風に人間の背よりも高い天然の壁で仕切られているところも。

 

 


この辺りはヒマラヤがテーマで、手前の方では高山植物らしきものが新しく植えられているところでした。

 

 

 

先ほど丘を登ってお庭の高低差を確認しましたが、丘の上からは何も見えなかったのに、歩道に下りてほんの少し歩くとこんな風景が広がっていました。

 

 

 

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これはとってもオリエンタル。

ここのテーマはもちろん中国です。

 

 

 

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地面に鮮やかな赤で描かれたドラゴンも、ユーモラスで可愛らしいですね。

 

 


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カエデの一種だそう。

 

 

 

6月なのにすでに色づいていましたが、最初からこういう色なのかもしれません。

東アジアを思わせるカエデやモミジ、イギリスでもとても人気で、よく見かけるんですよ。

 

 


そしてさらにはこの建物!
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アジアの植物を展示するために、こんなに本格的な建物を作っちゃうなんて、本当に凝っていますよね。

 

 

 

お見事!

 

 

 


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池の向こうには、中国風な橋もあります。

 

 

 

ここにいると、本当に時間が静かにゆっくり流れている気がして、ただただ池や周りの植物を眺めてしまいました。

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お屋敷の前には、バラがたくさん植えられているお庭がありましたよ。

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この辺りは奥さんの寝室からよく見える場所だったので、奥さんが好きなバラが植えられたそうです。

 

 

 

こういう家庭的なエピソード、大好き。笑

 

 


そんなこんなで本当に見所満載のビダルフ・グランジ・ガーデン。
実はお庭ができた当時、ビダルフ・グランジ・ガーデンには化石を展示する地質ギャラリー(Geological Gallery)が併設され、一般公開されて大人気だったのですが、その後、持ち主が変わった時期に、化石が壊れたり紛失したりしてしまったそうです。

 

 

 

ナショナル・トラストが管理するようになってから、このギャラリーを復活させる活動が始められて、今では少しずつ化石も増えてきているそう(今も寄付金を受け付けているそうですよ♪)。

 

 

 

お庭や植物だけでなく、地質の見学もできるようになるなんて、お庭を訪れる楽しみが広がりますね!

 


現在お屋敷の方は、数軒分に分けられて個人のお宅になっているので見学できませんが、おみやげショップやティールームが入っている一部を見るだけでも、そのゴージャスな造りが十分うかがえます。
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こんなにたくさんのテーマがあるのに、変に入り混じることなく、ただ自然の中をゆったりお散歩しているだけで世界中を旅している気分になれるお庭でした。

 

 

 

21世紀の今でこそ世界の様子はインターネットですぐに伝わりますが、150年前と言ったらアジアやアフリカに行くのは船で何ヶ月もかかった時代です。
それを考えると、今の時代に考える世界一周よりもずっとスケールが大きく壮大な世界観だったんじゃないかと思うのです。

 

 

 

その優雅な遊び心や気持ちの余裕が羨ましいと同時に、仕切られたそれぞれの空間にひっそりプライベート感が漂うのも、どことなくイギリス風に感じられて、にやり。

 

 

 

仕切ることに一所懸命になるあまり、たまにやり過ぎな感じがしちゃうのも、イギリス的不器用さ、というかちょっとしたエキセントリックな感じが出ていて私は好きなのです。

 

 


そして、その数々のテーマのお庭に咲き乱れているのが美しいお花たち。

 

 

 

秋は紅葉がきれいなようだし、冬には雪が降るようだし、いつの季節でも楽しめそうですが、やはりお花があると気持ちが盛り上がりますよね。

 

 

 

お花大好き!

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今回のツアーではすばらしいお庭をたくさん見せてもらいましたが、見ていて全然飽きないどころか、次から次へと新しい驚きと楽しさが飛び出してくるこのビダルフ・グランジ・ガーデンが個人的には私は一番好きでした。

 

 


だからつい熱がこもって長くなっちゃったのですが、日本ではあまり知られていないようで、本当に残念なんです。

 

 

 

陶器の町、ストーク・オン・トレントからとても近い場所なので、陶器の見学・お買い物にいらしたら、ぜひぜひ立ち寄ってみてくださいね。

本当にオススメです!
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We visited many wonderful gardens during our tour in the north of England and every one certainly has its charm, but if asked, I would probably say this was my just my personal favorite.

Biddulph Grange Garden, Staffordshire, full of Victorian charms :)

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国別テーマに分かれたガーデンが詰まったビダルフ・グランジ・ガーデンに一歩足を踏み入れたらその魅力に誰もがとりこになってしまいそうです♪

ガーデン散策しながら過ごす休日オススメです!

 

 

ロンスマさんのブログはこちらから

 

↓過去記事はこちら↓

北イングランドの英国ガーデンをめぐる旅 300年前に生まれたケイパビリティ・ブラウンって誰!?

北イングランドの英国ガーデンをめぐる旅2 出会いの夜はCrange Hallホテルで

北イングランドの英国ガーデンをめぐる旅その3 アーリーホール&ガーデンズ(チェシャー州)前編

北イングランドの英国ガーデンをめぐる旅その4 アーリーホール&ガーデンズ(チェシャー州)後編  

北イングランドの英国ガーデンをめぐる旅その5 ライムパーク(ナショナルトラスト、チェシャー州) 

北イングランドの英国ガーデンをめぐる旅その6 ライムパーク(チェシャー州)お屋敷編 』

北イングランドの英国ガーデンをめぐる旅その7 チェシャーのガストロパブ、The Fishpool

北イングランドの英国ガーデンをめぐる旅その8 トレンサム・ガーデンズ(スタフォードシャー州)

『北イングランドの英国ガーデンをめぐる旅その9 ちょっと休憩、ウェッジウッドでアフタヌーンティー 』

 

 

 

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