今日は、ロンスマさんの英国ガーデンをめぐる旅第五弾をお届けします!
北イングランドの英国ガーデンをめぐる旅、今回は前回のアーリーホール&ガーデンズ(前編&後編)と同じチェシャー州にあるライムパーク(Lyme Park)を訪ねます。
実はここ、私の大好きなBBCのテレビドラマ『自負と偏見(Pride and Prejudice)』(1995年)を撮影した場所としてイギリスでは有名なところなんです。
そう、あのコリン・ファースの出世作になったジェーン・オースティン原作の時代物のドラマです。
コリン・ファースもジェーン・オースティンも大好きな私としては、一度行ってみたいとずっと思っていたので、到着前からもうワクワクでした。
このドラマがライムパークで撮影されたのはお庭のシーンだけで、お屋敷のシーンは別の場所で撮影されたというのは別の本で読んで知っていました。
だからまさに私たちがこの日訪れるお庭は、ミスター・ダーシー、つまりコリン・ファースが歩き回っていた場所。
どんなところなんでしょう? 楽しみです!
これがお屋敷です。
ライムパークは600年以上にわたってリー家が住んでいたお家。
今の建物になったのは19世紀で、イタリア様式で作られています。
本当に大きくて立派な建物でしたよ。
到着すると、入り口で迎えてくれた庭師のトップであるギャリーさん、まずはオフィスでお茶でもと言ってくださいました。
私達がマイクロバスで移動していることを気遣ってくださったのかもしれません。
このライムパークには個人の邸宅として600年という歴史がありましたが、戦後、歴史的建築物などを保護する慈善団体ナショナルトラストが管理するようになり、今ではナショナルトラストが管理する場所全体の中でも訪問者数が一番多いそうです。
現在のお屋敷はエドワード時代の影響を最も受けているということで、全体にその時代の展示が中心になっていたのですが、庭師のギャリーさんも、その時代の出で立ちで私たちを迎えてくださいました。
ギャリーさんと優雅な雰囲気のオフィスでお茶しながら、お屋敷のことやお庭のこと、私たちのそれぞれの国のお庭事情などを和やかに談笑。
古いお屋敷の内部が今も使われているのを見るのはとても楽しいものです。
それに、私たちに甲斐甲斐しくお茶を注いでくださるギャリーさんのおもてなしのお気持ちに、英国の余裕のようなものを感じ、私たちもリラックスさせてもらいました。
オフィスから見た入り口の門。
この日の午後は写真からもおわかりのように、かなりの怪しいお天気だったのですが、できるところまで見ていってくださいね、とギャリーさんの案内でお庭見学が始まりました。
建物のそばの芝生には、やはりエドワード時代によく遊ばれたゲームがいろいろ置かれていました。
このすぐそばにあった塀の向こうを望むと、こんな段差がありました。
なかなかの高低差ですよね。
実はこのライムパーク、海抜245メートルの山の中にあって、平地よりも気温が低く、雨も降りやすいので、実はガーデニングには厳しい土地なんだそう。
そんな土地でも、あえてお庭仕事に励んでいるというのは贅沢というか、チャレンジというか。笑
でもライムパークに勤めて22年というギャリーさんは、それをあまり気にしている様子もなく、「高低差があることで自然の中にいる雰囲気が味わいやすいし、ちょっと花が咲くのが遅いとか、土地の特徴を覚えておけば大丈夫」と余裕でした。
こちらのお庭は、お屋敷からも臨めるダッチガーデン(オランダ風の庭)。
ライムパークのサイトを見ると、この模様の部分にお花が植わっている季節もあるようですが、この日は目にも鮮やかな緑が雨にしとしとと濡れていました。
最初に言ったようにライムパークは有名なドラマの『自負と偏見』を撮影した場所ですが、その事実を全面に出し過ぎていないのがかっこいいなと思いました。
ギャリーさんはドラマの撮影時にすでにここで働いていたそうで、大騒ぎだったとは話してくれましたが、それを大げさに語るわけでもなく、淡々としたもの。
それでも、あまりに有名なことなので、ライムパークのあちこちに、その事実が表されていました。
例えば、これ。
庭に出てしばらくしたところで、空が真っ暗になってきたので、ナショナルトラストの傘を私たちに貸してくれたのですが、そこには「ミスター・ダーシーはライムパークで濡れたけれど、私は濡れませんよ」の文字。
ドラマの中で、コリン・ファース演じる白馬の王子様ミスター・ダーシーが、湖に飛び込んで泳ぐというとても有名なシーンがあり、イギリスの女性たちはこれを「セクシー♡」と言って喜ぶのです。
ちなみに私はこのドラマの大ファンですが、個人的にはこのシーンにはそれほど思い入れはありません。笑
ただ、これは本当に誰でも知っている有名なシーン。
そのことを「ミスター・ダーシーは濡れたけど」と遠回しに言っていて、シャレが効いているなあと感激でした。
こういう遊び心、大好きです♪
ちなみに、このシーンを撮影した湖は、広いお庭のずっと奥の方だそうで、ここを実際に訪れたい方は時間に余裕を持ってお出かけくださいとのこと。
たまにこの湖までのツアーも開催されているようですよ。
さて、そんな楽しい傘をお借りして庭を歩きましたが、やっぱりギャリーさんのん天気予報は正しくて、あっという間に雨が激しく降ってきました。
雨があまりに激しかったので、大きな木の下で雨宿り。
少し遠くなったお屋敷の灯りが、なんとなく心強く感じられました。

ふと見ると、シャクナゲが見事に咲いていました。

先ほどのダッチガーデンの方まで下りてみましたが、この雨、見えますか?
女性誌から取材に来ているイギリス人のジェーンは雨の様子を動画に撮っていて、私もマネしたかったのですが、私には大きなカメラと大きな傘を持ちながら、とても動画の撮影はできませんでした。汗
くー、もっと器用になりたい!
では今度はお屋敷が見えるところに行ってみましょう。
お屋敷の前の池はReflection Pondと呼ばれており、直訳すると「映る池」。
優美なお屋敷の姿が水面に写って、さらに美しく見えるそうです。
残念ながらこの日は水面のお屋敷を見ることができませんでしたが!
『自負と偏見』で、ミスター・ダーシーと恋に落ちるエリザベスが初めてミスター・ダーシーのお屋敷を見て思わず見とれるシーンとほぼ同じアングルの写真。笑
マニアックですみません。でも、これを見られただけでも私は大感激でした。
雨でも晴れでも関係ありません♪
雨は降り止みませんが、せっかくなのでもう少しお庭を見せてもらうことに。


雨に濡れた土も、ツツジの花に彩られて美しいですね。

正面に見えるのがお屋敷で、その手前のお庭がオランジェリー・テラス(温室前のテラス)。

温室の中は広々としていて、きれいなタイルや置物で飾られていました。
これもエドワード時代風なのでしょうか。
繊細な細工のベンチも美しく、ここにいるだけで古き良き優雅な時代を想像して、しばしうっとり。
そしてこちらがローズガーデン。
むむ、やっぱりバラには晴れた日が似合うのでしょうか。
ここではさすがにお天気がちょっと残念に思えました。
晴れたローズガーデンの写真がないかと調べているうち、よく晴れたお庭をギャリーさんが案内しているYouTubeの映像を見つけたので、ぜひご覧になってみてくださいね。
ちょうどバラもきれいに咲いていて、きれいですよ♪
ライムパークには、広いお庭の他にも、敷地内に森の部分があって、そこには野生のシカもいるんだそうです。
まさに自然に近い大庭園なんですね。
雨の日もお庭もしっとりしていて悪くないものです。靴や髪が濡れなければ!
せっかくここまで来たので、お屋敷も見られるのは大歓迎♪
次回はゴージャスなお屋敷を一緒に回ってみましょう。
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↓過去記事はこちら↓
『北イングランドの英国ガーデンをめぐる旅 300年前に生まれたケイパビリティ・ブラウンって誰!?』
『北イングランドの英国ガーデンをめぐる旅2 出会いの夜はCrange Hallホテルで』
『北イングランドの英国ガーデンをめぐる旅その3 アーリーホール&ガーデンズ(チェシャー州)前編』
『北イングランドの英国ガーデンをめぐる旅その4 アーリーホール&ガーデンズ(チェシャー州)後編 』
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