みなさんこんにちは、ブリ子で~す。
今日は、新しいファミリーメンバー「英美ちゃん」がブログを書いてくれました。
英美ちゃんは、英国に2年間住んだことのある才女です。
イギリスが大好きな英美ちゃんを「イギリス映画の試写会があるよ~」と誘い出し、ブログを書いてもらうことに成功したブリ子。
そう、ブリ子は「観~てた~だけ~」(古いね)
ありがとう!英美ちゃん!
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皆様、はじめまして。Britain Park初登場の英美と申します。
どうぞよろしくお願いします。
《作品紹介》
謎のヴェールに包まれた英国史上最高の画家その素顔と創作の秘密が、今明かされる
《戦艦テメレール号》など数々の傑作を残した、ロマン主義の巨匠J・M・W・ターナー。
若くして名声を得ながら、時には批判や嘲笑を浴びても、自ら嵐に飛び込み新たな表現を模索し続けた天才画家。名画創作の影で、なぜか名前と身分を偽って意外な場所に出没するなど、旅を愛した画家の素顔は謎に包まれていた。
構想12年の情熱でターナーの人生を映画化したのは、『秘密と嘘』でカンヌ国際映画祭パルム・ドール、『ヴェラ・ドレイク』でヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞の巨匠マイク・リー監督。
ターナーの創作の秘密が紐解かれながら、目前に名画の世界が広がる驚き、そして、豊かに生きることの素晴らしさが胸を打つ感動の物語が誕生した。
(映画「ターナー、光に愛を求めて」オフィシャルウェブサイトより)
ターナー役に、ティモシー・スポール
ハリー・ポッターではピーター・ペティグリュー役のほか
・ラストサムライ
・レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語
・魔法にかけられて
・英国王のスピーチ
場所は渋谷ユーロスペース内の映画美学校 試写室で上映されました。
試写室はすでに関係者や一般の皆さんがプログラムや作品紹介の冊子を読みながら上映を心待ちにしているようでした。私も楽しみです。
映画は全体をとおして18世紀の末から19世紀にかけてのイギリスの人々、風景が鮮明かつ丁寧に描かれています。産業革命期の蒸気機関車や蒸気船など時代の流れまで描写されているので、まるでその時代にタイムスリップしたような美しい映像でした。
もちろんターナーの作品もたくさん登場します。
彼の作品の特徴であるあのあたたかみのある黄色は彼の目に映る世界そのものかもしれませんね。
そんな彼の後半生を描いた映画です。
余談ですが、彼が得意とした色が黄色に対し、苦手な色が「緑」だったそうです。
本作は彼が生まれ育った国イングランドとウェールズで撮影されていますが
まさに様々な緑を目にすることができるのに、と意外に感じました。
もし当時のターナーの質問することができたら、なぜ緑が苦手かぜひ聞いてみたいですね。
実は劇中のターナーさん、どのシーンでも表情が硬く
元恋人が娘と生まれたばかりの孫を連れてきても笑顔ひとつ見せません
(そもそも未婚のうえ、娘たちを認知していないんですね)
これはのちのトークセッションでも話題になりました
彼の母親の欠落など複雑な家庭事情が理由のひとつと思われます。
芸術家としての才能はすばらしいですが、人とのコミュニティを築くことは得意ではなかったようです。
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© Channel Four Television Corporation, The British Film Institute, Diaphana, France3 Cinéma, Untitled 13 Commissioning Ltd 2014.
ロイヤルアカデミーでのほかのメンバーとのやりとりにはどこかぎこちなさがあり
美術評論家の奥様のピアノ演奏も笑顔を見せながら演奏曲について語っていましたが、
どうもまだ作り笑顔に感じられました。
唯一、海辺の町マーゲイトの未亡人ソフィアとの会話の中で
いままでずーっと難しい顔ばかりしていた彼がなんと笑顔を見せ
「かわいい!」と思ってしまうほど本当に印象的でした。
ソフィアの存在が彼の癒し、そして心許せる方だったのかもしれませんね。
ですからターナーは自身がロンドンの有名画家であることを明かさず
ただのひとりの男性として、彼女のそばにいたかったのではないでしょうか。
このターナーの笑顔はぜひ映画館で見て頂きたいです!
この後、彼は生涯を終えるまで彼女と一緒過ごしたそうです。
そしてもう一人紹介したい登場人物は、ターナーの家政婦ハンナさん。
ハンナは物語の最初から最後まで登場しており、ターナーに好意をもっている方です。
彼女の思いは、未亡人ソフィアとは対照的に描かれているように感じました。
ターナーを中心に二人の女性を注目しながら見るとおもしろいかもしれません。
本作は、主を失った仕事部屋に一人佇む家政婦ハンナのシーンと共に静かに終わります。
そのシーンがまるで一枚の完成された絵画のように美しく、最後の最後まで見て頂きたい作品と思いました。
中村剛士/TAKさん(写真左)
ブログ「青い日記帳」主宰。展覧会レビューをはじめ、幅広いアート情報を毎日発信する
有名美術ブロガー。朝日カルチャーセンター新宿で講師も務める。
ハピプラアートのコラム「青い日記帳の予習帳」も好評。
単行本『フェルメールへの招待』(朝日新聞出版)の編集・執筆。
朝日マリオン・コム「ぶらり、ミュージアム」などのコラムを連載中。
鈴木芳雄さん(写真中央)
編集者、美術ジャーナリスト。愛知県立芸術大学客員教授。東京造形芸術大学非常勤講師。
マガジンハウスでポパイ編集部、アンアン編集部などに在籍し、雑誌ブルータス副編集長を10年勤める。
担当した特集に「西洋美術を100%楽しむ方法」「国宝ってなに?」「仏像」など。
共編著に『光琳ART 光琳と現代美術』『チームラボって、何者?』など。
DJAIKO62さん(写真右)
京都育ち。中学時代をアメリカ・ニュージャージー州で過ごす。現在はラジオDJ、ナレーター、
音楽/映画/京都/学芸員美術展ライターとして活動。
気さくで潔いトークが幅広いリスナーに支持されている。
客席からの感想や質問も交えて終始楽しいトークセッションでした。
そして、セッション内ではメイキングシーンも紹介されました。
ロイヤルアカデミーの展示会会場で、隣に掲げられたライバルの作品に刺激を受け
最後に赤いブイを描き込んだ彼の作品「ユトレヒトシティ64号」、そのシーンです。
画面手前のカメラ、奥に赤いブイを描き込むティモシー・スポール。このシーンのために絵画の専門家から手ほどきを受けながら何度も描き込むトレーニングをする様子も紹介されました。
メイキングを見てから改めて映画を見直すと、初回で見た時とは違う感想が生まれそうですね。
また作品「ユトレヒトシティ64号」は日本で見ることができます。
貸出中の場合もありますので、ご確認ください。
いかがでしたでしょうか。
「イギリス文化を代表する画家ターナー、彼の光の世界にそっと近づける」作品と思いました。
公開は、2015年6月20日(土)Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開です。
監督:マイク・リー
出演:ティモシー・スポール、ドロシー・アトキンソン、マリオン・ベイリー、ポール・ジェッソン、レスリー・マンヴィル
2014/原題:Mr.Turner/英・仏・独/英語/150分/日本語字幕:古田由紀子/後援:ブリティッシュ・カウンシル、英国政府観光庁
配給・宣伝:アルバトロス・フィルム、セテラ・インターナショナル/
宣伝協力:テレザとサニー PG12
英美
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