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「英国社交界」での配偶者の役割

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みなさんこんにちは、ブリ吉です。


ドラマ「ダウントン・アビー」では、女性の配偶者は前時代的な家督制度のために、特権階級社会上の弱者として映っています。同時に、社交界での彼女たちの役割は、記録にこそ残らないものの、隠れた大きな貢献として認識されながらも、語り継がれることさえありません。むしろ、華やかな社交の世界で、お洒落ばかりに目を奪われがちだった我々には、彼女たちの真の姿が見えていなかったのかもしれないと、あのドラマから学んでいる気がします。


ダウントン・アビーDVD販売元:NBCユニバーサル© 2010 Carnival Film & Television Limited.


さて、もうすぐ、エリザベス二世女王陛下の誕生日会(QBP)が行われます。女王陛下は4月生まれですが、Trouping the Colourなどの式典のために公式誕生日が6月にも設けられています。

6月の英国はジューン・ブライドという言葉が出来るほど、幸せな気分になれる季節です。天気が安定し、暑すぎないし、夏至で夜10時まで明るいから、いつまでも外に出ていたくなる最高の季節なのです。公式誕生日が6月で、こうやって屋外で祝うというのは一興でもありますね。
 
(左の建物の反対側はChanging Guardを行うホワイト・ホール。右はハイドパーク)


誕生会の式典Trouping the Colourはロンドンで行われますが、世界各国に散らばる英国大使館でも、接受国(英国大使館を受け容れてくれた国)の貴族、政・財・官など各界の重鎮、有名なセレブ、メディアなどを招いて英国のGreat Campaignと共に盛大に行われます。但し、慣例に従って英国益に関わる組織や接受国の政府の重鎮だけが招かれます。

 

(たくさんの馬から漂う馬の落としモノのニオイも一興(?)です。草食動物なのに意外にクッサイ!)


 

(女王陛下はパステルカラーがお好み)

東京の英国大使館でも、皆さまに女王陛下のお誕生日を祝って頂くことが本旨なのですが、皆さまに英国の印象を「良く」して頂きたいことと、今までの印象を変えて頂いて、新しいものを、さらに「好く」思って頂くことを念頭に、Food is Great キャンペーンなど様々なイベントが行われます。

但し、伝統的な部分でいくつか変わらないところもあります。

外交官たちの多くは配偶者を持っています。つまり、奥さんか旦那さんですね。その配偶者もかつての社交界や舞踏会の時代と同じように、外交上の「仕事」としてこの行事に参加するのです。

ブリ吉の思いつきですが、社会貢献に熱心な貴族たち行いが「高貴な者の義務」noblesse oblige(ノブリス・オブリージェ)であれば、ホスト、あるいはホステスたちである配偶者たちの姿に「配偶者たちの貢献」、つまりspouse oblige(スパウス・オブリージェ)を感じるのですね。(笑)



ダウントン・アビーDVD販売元:NBCユニバーサル© 2010 Carnival Film & Television Limited.

ご参考までに、ホスト、あるいはホステスとしての配偶者の役割は以下の通りです。

・ゲストをお迎えし、積極的にその存在を肯定する
(お客様を孤立させない、お客様の社会貢献の意義を引き出す、心を開いて頂くなど)
・人と人とをつなぐ(皇室、政財官界の重鎮、セレブ、有力者、企業人、メディアなど)
・楽しませる(英国の話、ビジネスの話、政治・経済・外交・世間話など)
・案内する(大使館について、英国について、女王陛下や英王室について)

最長4時間の式典の中、飲まず食わずで、これらのことを英語と日本語で行うわけですから、外交官の配偶者は、それなりのスキルや教養や忍耐が求められるのです。目立つことや、華やかであることではなく、上のリストのようなことをソツなく、無難にこなすことが優先される立場にあるのですね。そして、その裁量は配偶者個々人に委ねられているだけで、お作法教室みたいなものは一切存在しないのです。


ダウントン・アビーDVD販売元:NBCユニバーサル© 2010 Carnival Film & Television Limited.

15年くらい前に英会話学校のCMで、「なんで英語勉強すんの?」と、あるタレントが渋谷ギャルみたいな生徒役に質問したら、「外交官夫人になりた~いから~」と理由を言う場面がありました。ブリ吉は、まずダイアナ妃も出たスイスのfinishing schoolを卒業しなさい、と言いたくなりました。あ、それも英語とフランス語が必要か。

英国外交官の配偶者と言えば、30年くらい前までは女性ばかりでした。それまでは外交官夫人ばかりだったわけですが、1989年にインド人男性と日本人男性が初めて英国の女性外交官と結婚したので、外交官夫君(くん)が2名出現したわけですね。しかし、社交の中で配偶者としての立場や役割は、夫人たちとまったく同じものでした。

配偶者は明文化された義務は負わないものの、外交官の随伴者として積極的に英国大使館のために、つまり英国の繁栄とエリザベス二世女王陛下への忠誠と貢献を担っているのです。

ブリ吉は日英関係史を専門にしている関係で、昨年は皇室も関係されているエリザベス会という日英関連の組織に依頼され、「英国大使館とご婦人たち」というタイトルでスピーチしたことがあります。内容の一部は鹿鳴館時代に、日本でプロトコルを確立した日英のご婦人たちの話です。後日、機会あれば、その一部分をこちらでお披露目しましょう。

以上、ブリ吉でした。

第5話 「嫉妬の炎」
明日23時よりNHK総合にて 放送!

「ダウントン・アビー通信」
http://www.downtonabbey-tv.jp/news/

NHK公式情報
http://www9.nhk.or.jp/kaigai/downton/

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