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Foodex2014で気づかされた英国のお茶文化

ブリ吉です。

Foodexで英国からの出品物は、お茶、ビール、ウィスキー、燻製、ソーセージ、チーズ、コンフェクショナリー(スウィートやビスケットなど)が主流でしたが、2013年にはエクアドルのブースに陣取ったドライフルーツの企業が今年は英国のブースで展開されていました。

「英国のプロダクツの筈なのに、何で?」

と思われる方々も多いでしょう。でもね、そもそも紅茶だって、英国に輸入されたものであって、それが植民地政策で英国商品として認知されるようになったわけです。現代では、生産地が英国に無くても、販社が英国にあれば、英国産、あるいは英国からの輸出品としてのビジネスが成り立つのです。
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(この画像は2005年にBerkley Hotelで撮影したプレタ・ポルティ。当時、この商品を開発したシェフは他社ホテルから転職した際に、このアイディアを提案したそうです。ロンドンの熾烈なアフタヌーン・ティ商戦の中にあっては、シェフもどんどん働く場所を変え斬新なアイディアで勝負しています。現在の様子はこのウェブからどうぞ。
http://www.the-berkeley.co.uk/fashion-afternoon-tea/ 

紅茶は英国の午後茶の習慣から、優雅なアフタヌーン・ティ文化として花開く下地が出来たからこそ、「英国の茶文化」として根付いたわけです。また、ビクトリア時代も後半になると、貴族が没落したり、富裕層が減少したりして、それにつれてアフタヌーン・ティに必要不可欠なハード系のアイテム。つまり、…執事やメイドなどは、マナーハウスや屋敷が貴族や富裕層の手から放れ、ホテルへと変わっていくに至って、その職業もホテルのサービス担当へとシフトして行くのですね。


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 (画像は記事と無関係に大使公邸シェフの吉田さんです。彼の見事な手捌きは実写ではお伝えできませんが、こういった午後茶フードのノウハウも貴族の屋敷から公邸へと引き継がれたのです)

執事やメイドのノウハウは屋敷からホテルへと引き継がれ、1900年の初め頃にはホテルにレストランを併設するというアイディアから、ホテルでのアフタヌーン・ティを頂くという上流階級の紅茶文化が成り立っていった、というわけです。

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 お茶が英国に伝わったのは、17世紀にスペインから嫁いだ王妃から、ということですが、富裕層に習慣化されたのは1850年頃のことで、日本で言えば幕末です。リッツホテルがレストランを作ったのは1900年の初め頃のことですから、英国の紅茶文化ってのは、せいぜい150年あまり。意外に歴史が浅いんですね。日本の茶道は千利休まで遡っても400年以上ですか?

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歴史の長さや深さはともかくとして、「英国の」紅茶が売れる理由は、お茶っ葉から芳しいエキスを抽出するだけでは面白みに欠けるわけで、お茶と一緒に何かのアトラクション(ティーフーズ、配膳される楽しさ、陶器や漆器のデザイン、お茶を楽しむ場所や状況などなど)を付帯させて、それらを評価し、向上させる文化的な肉付けがされているからなんですね。


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そして、日本の紅茶の専門家はお茶のルーツを追い求めて、「もっど、うめぇ飲み方さ、ねぇべか~」(拙友人でこれに取り組んでいるのが秋田県民なので、トーホグ弁で表現しました)とスリランカやインドを彷徨っているようです。これからの紅茶文化を支えて行くのは、英人ではなくて、さらなる味やイベント性を追及する日本人かもしれません。

さて、今回のFoodexに参加した中でも、紹介したいお店と商品が、もう少しあります。上に挙げたお茶の会社もそれぞれ特徴があるのですが、一度に全種類を飲み比べたために、どれがどれやら記憶が定かではありません。でも、日本に売り出しているお茶は例外なく、上品で、雑味が少ないお茶のような気がします。東印度会社の輸入元をしている社長さんと懇意にしているのですが、「PGティップはどうしていますか?」と質問されたので、「誰かが英国から来る時に買って来て貰っています」と答えると、「それはいけません。ウチで買って下さい」と叱られてしまいました。(笑)

PGティップは多くの英国人にとって必要欠くべからざるお茶のようです。

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今回は調子に乗って、あんまり興味のないお茶文化について語ってしまいました。Foodexはまだまだ魅力が満載でしたので、やはり一つひとつの商品に特化した記事を書くべきだと、今気づきました。

次回もどうぞよろしくお願い致します。

ブリブリ、ブリ吉


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